こんにちは。
熊谷もすっかり寒くなりましたね。
今年は本当に秋の日がなかった気がします。
明日から師走ですが、皆さん風邪など引かないよう体調に気をつけてくださいね。
さて、今日は『精密根管治療〜マイクロエンド〜』についてお話しします。
『根管治療』というのは歯の根っこの治療のことです。
歯は頭の部分と根っこの部分に分かれますが、その中には神経の部屋、管があり、神経と血管が流れています。
歯が虫歯になると、細菌感染によって歯が蝕まれていき、その神経の部屋まで達してしまうと、神経も侵されてしまいます。
脳から出ている神経の末端が歯の中にあるわけですから、歯の根の先は穴が空いていています。
なので神経が細菌に侵されてしまうと、骨の中まで細菌は侵入していくのです。
感染した後の症状としては様々で、一般的にはその歯の周りの歯肉が腫れたり、ニキビのような出来物ができたり潰れたりを繰り返す、歯が何もしなくても痛い、噛むと痛い、疲れると痛いなどの症状が出ます。
ひどい場合は顔が腫れ上がることもあります。
治療法としては細菌感染の除去となります。
感染した部分を綺麗にし、再び感染しないようにその部分を緊密に歯科材料をつめ、歯の頭の部分は被せ物をして噛めるようにします。
では『精密』とはどのように精密なのか。
ズバリ、肉眼では見えない部分を顕微鏡を使ってみて徹底的に綺麗にし、より緊密に詰めることです。
根の治療の成功率は、なんと日本は世界に比べて低いのです。
日本が世界基準より劣っているなんて…衝撃的ですよね。
日本人の約70%は根管治療を必要とする歯を有し、根管治療された40%はきちんと治癒していない、または病気が進行していると言われています。
この原因は様々なことが言われていますが、
・治療する際の防湿(根管内に唾液を入れないようにする処置)をしていないもしくは不十分
・肉眼もしくは拡大率が低く治療しきれていない部分がある
・保険治療では未認可な材料が多く
・術者の技術、知識不足
・十分な治療時間を設けていない
などが挙げられます。
当院には大学病院で根管治療を専門に行っていた歯科医師が在籍しています。
治療したが再発してしまった、なかなか治らないなどのお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
また、私が一番お伝えしたいのは、治らなくなって状況が悪化してから治療するのではなく、虫歯ができた、根っこの治療が必要になったその一番最初の段階で精密治療を行うことです。
歯を多く失った後、感染がひどく難治性になってしまった後に精密治療するのと、最初の治療から精密治療を行っているのでは歯の寿命は大きく変わります。
1本でも多く、ご自身の歯を残すため、大切な歯について考えてみてください。
※最後に、精密治療によって全ての歯が治癒するわけではありません。専門の歯科医師の検査の後、ご説明いたします。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋