こんにちは!
暑さ寒さも彼岸までと言われるのに、急に暑くなりましたね。
熊谷は今日は30度を超えるそうです。
温度変化が大きいので皆様体調には十分お気をつけください。
さて、今回は詰め物(修復物)被せ物(補綴物)の『適合性』についてお話しします。
歯が虫歯になってしまった、噛んだりぶつかったりして歯が欠けてしまったなど、元の状態から歯の形が変わってしまって治療することは多々あります。
そんな時歯に詰め物(部分的に人工物)または、被せ物(歯の頭を全体的に人工物で覆うもの)を入れて治療します。
治療をして特に痛みもなく経過していたけど、最近なんだか糸ようじが引っかかるな…
なんだか最近、食事をすると必ず食べ物が挟まるな…
そんなことはありませんか?
または特に自分は困っていなかったけど、定期検診で詰め物の適合性が悪いと言われた。
これらは特に痛くない、そんなに困っていない状態です。
そのままで大丈夫?痛くないのに治療すべき?そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
答えは、多くの場合、治療すべきです。
曖昧な言い方ですみません。
全部が全部治療しなくていい場合があります。
ただ、それは歯科医師の判断で治療しなくて大丈夫かどうか決まります。
適合性が悪い、不適合の状態を放置すると何がダメなんでしょうか?
それは段差です。何の段差かというと歯と人工物の段差です。
段差があるということは、その部分に歯垢がつきやすいということになります。
歯垢は虫歯、歯周病の原因になります。
例えば被せ物が入っている歯とその人工物の境に段差ができます。
被せ物の入る歯は多くの場合、歯の神経がないことが多いのです。
歯の神経がないということは、その歯は虫歯になってもしみたり痛みを感じないということです。
しかし、虫歯は進行します。むしろ神経と一緒に血管もない歯になっているので抵抗力が弱く、神経のある歯に比べて虫歯の進行は早くなると言われています。
しかも神経のない歯は脆いのです。血の通わない歯は枯れ木のようなものです。
ポキっと折れてしまうリスクは、神経のある歯より高くなります。
だからこそ被せ物で補強してあげないと噛む力に耐えられないのです。
詰め物はどうでしょうか?
詰め物(部分的に人工物)の歯は、神経が残っていることが多いです。
しかし、詰め物と歯との境目から虫歯になってしまったら、一度虫歯になった部分がさらに虫歯になることになります。
元々虫歯で削った歯からまた健康な歯が虫歯に侵されると、どんどん神経へ近くなります。
神経へ虫歯が到達したり、神経に炎症が起きてしまったら神経を取ることになります。
なので、そうなる前に治療することが肝心なのです。
一度治療したのに、また治療するなんて!と思う方がいるかもしれません。
確かに、苦手な歯科治療を頑張って時間をかけて通ったのにまた治療するのは辛いですよね。
しかし、口の中はそもそも過酷な環境です。
熱い、冷たいの温度変化。一食で何百回も起こる力の負担は自分の体重と同じくらいの重さがかかります。
唾液で湿潤状態かと思えば、口を開けっぱなしにされて乾燥してしまう。
酸性やアルカリ性のpHの変化、細菌の存在、歯ブラシによる摩耗、歯軋りや食いしばりなどの悪習慣による過大な負荷…
挙げるとキリがありません。
そんな中で何年も失った組織に変わって機能してくれている人工物はむしろすごいのです。
人の体が老化するように、人工物の劣化は起こります。
人工物は問題なくても、人の組織の変化に対応しないといけないこともあります。
不適合と言っても、虫歯や歯周病になるリスクが低い場合は、定期検診でチェックし、ご自身でも気をつけてケアすることで治療しなくていい場合もあります。
ご自身の治療した歯の今の状態をご存知ですか?
自分の体は日々変化します。
口の中の細かい部分を自分でチェックするのは大変難しいことです。
今の状態をぜひ歯科医院でチェックしてもらいましょう。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋