こんにちは!
熊谷にお住いの皆さん、昨日の花火ご覧になりましたか?
当院からは2箇所同時に花火が見れました!
10分弱の時間でしたが、すごく綺麗でテンション上がりました!
次回は熊谷の花火大会が戻ってきたらいいですね。
さて、今日は『インプラント周囲炎』についてです。
インプラント周囲炎は、その名の通りインプンラントの周囲の組織に炎症が生じること。
歯周病(歯肉炎、歯周炎の総称)と同じです。歯周病は歯の周りの組織の病気のことです。
インプラントは歯ではなく人工物なので、歯周病と言わないのです。
まず、インプラントについてお話しすると、口腔内におけるインプラント治療は、5年生存率93〜99%、10年生存率90%以上という数字が出るほど成功率が高い治療です。
医療の世界にこんなに成功率の高いものも少ないかもしれません。
でも、もちろん色々な条件があります。どんな方でも成功するわけではありません。
きちんと条件を満たし、正しい診断と治療の上で成功するわけです。
しかし、それでもインプラントが機能できなくなってしまうケースがあります。
その多くが『インプラント周囲炎』が原因なのです。
インプラント治療は骨の中に人工の根であるインプラント体を埋入し、自分の歯と同じように自立させて機能させます。
要は、骨にしっかり植わっていれば、インプラントはしっかりと機能できるのです。
ということはその土台となる骨がなくなってしまうと、インプラント体がしっかりと自立できなくなり、本来の機能を失ってしまうのです。最悪の場合は抜け落ちるか撤去が必要です。
骨がなくなるのは、炎症が原因です。その炎症は主に細菌感染が原因です。
インプラント周囲炎は感染症なのです。
細菌はプラーク(歯垢)の中に存在します。
インプラントの周りが汚れてしまった状態が続くことが原因なのです。
ここまでは歯周病と変わりはありません。歯も骨に植わって自立しており、歯の周りが汚れたままになり細菌感染で炎症が起こると骨が吸収され、歯がグラグラして機能できなくなります。
しかし、歯とインプラントには決定的な違いがあるのです。
最も大きな違いが『歯根膜』という組織が歯にはあり、インプラントにはないことです。
歯根膜は歯の根の部分を覆っている組織です。なので歯と骨の間を取り持っています。
それは、栄養、免疫、感覚、咬合力に対するクッションの役割などを果たしています。
しかし、インプラントは骨と直接くっついています(オッセオインテグレーション)。
なので、上記した役割がなく、抵抗力としては歯に比べて劣っているのです。
よって、同じ状況下でも自分の歯とインプラントでは、断然インプラントの方が感染しやすいのです。
そして一度感染してしまうと進行が早く、治りも悪いのです。
以上のことから、インプラントはそもそも感染させないことが、長く快適に使うのに必要なことと言えるでしょう。
インプラント治療は、自分の歯を何らかの原因で失ってしまった方が選択する治療です。
その失ってしまった原因が歯周病だとしたら…
インプラント治療をした後も同じような歯ブラシやメンテナンスをしていてはいけないのです。
別の原因で歯を失った方も安心してはいけません。
30歳以上の80%は何らかの歯周病のトラブルを抱えていると言われる日本人。
きちんとケアすることは必須なのです。
皆さんは、定期的に(歯科医師に指示された期間で)検診を行い、咬み合わせ、口の中の清掃状態、炎症の有無などを診てもらっていますか?
そして歯科医院で言われたことを、ご自宅で実践できていますか?
咬むことは生活でとても重要なことです。
当たり前のことが当たり前でなくなった時、人はとても苦労します。
ぜひ、そうなる前にきちんとケアを行いましょう。
そしてすでに病気にかかってしまった方、落胆せずにすぐに歯科医院で最善の治療を受けましょう。
口の中の病気で勝手に完治するものは多くはありません。
傷は浅ければ浅いほど後遺症も少なく済みます。
ここまででインプラント治療が怖くなったり、心配になった方がいらっしゃるかもしれません。
でも最初にお話しした通り、インプラントは成功率の高い治療法であり、他の治療にはないメリットもたくさんあるのです。
ただインプラントを埋入して被せたら終わりではなく、その後のケアが大切だということを知っていただきたいのです。
ぜひ、この機会を逃さず、歯科医院に足を運んでいただきたいです。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋