こんにちは!
コロナの第4波、心配ですね。
熊谷は違いますが、埼玉も蔓延防止の区域に指定された所もあり、近くまできている感じがします。
しっかり感染対策をし、より一層気をつけていきましょう。
さて今日は、3Dプリンターの歯科への応用についてお話しします。
まず、3Dプリンターとは、設計データ(STLデータ)をもとにして、スライスされた2次元の層を1枚ずつ積み重ねていくことによって、立体モデルを製作する機械のことです。
家庭用から工業用まで様々で、最近では手軽に手に入れることもでき、使用する人が増えています。
歯科での応用も始まっており、被せ物や、インプラントのガイド(インプラントを埋入する時の位置決めをする道具)など、多く使われています。
今回、ご紹介するのは、歯の移植の時に使用するというものです。
歯の移植とは、ご自身の歯が保存不可能で抜歯を余儀なくされた時、主に使うことのない自分の別の歯(多くは親知らず)を抜いて移植するものです。
移植の成功率を左右するのは、組織がどれだけ保存されているかです。
要は、移植する歯の周りについている歯の周りの組織(歯根膜)が、どれだけ壊れていないかです。
そのために必要となるのは、抜歯時に組織を傷つけないこと、そして、できるだけ早く移植することです。
このできるだけ早く移植するというのに、3Dプリンターが活躍します。
抜いた歯と移植する歯は、もちろん形が違います。
なので、抜歯した部分に必ずしも移植する歯がぴったりはまるわけではありません。
歯科医師は、抜歯した部分の整型や移植する歯の方向や角度を調整することにより、最も適切な位置に移植を行います。
しかし、それに時間がかかってしまうと、移植する歯が抜けてから移植されるまでの時間がかかってしまいます。
時間が経てば経つほど、組織がぶつかればぶつかるほど、組織は壊れ、細胞は死滅してしまうのです。
そこで3Dプリンターの出番です。
手術の前にあらかじめCTで移植する歯のレントゲンを3Dで確認します。
そして、移植する歯のレプリカを3Dプリンターで作っておきます。
移植手術の時に、移植する部分の抜歯を行い、あらかじめ作っておいたレプリカでシュミレーションを行うのです。
そうすれば、移植する歯を抜いてすぐ、ピッタリ移植ができるのです。
抜いた後、移植しようとして狭くて移植する歯をぶつけて組織を傷つけたり、移植する部分の形を整えるために時間を使う必要がないのです。
移植の成功率は、その方の年齢や、移植する部分の状態、移植する歯、移植後の過ごし方など色々な条件で変わります。
しかし、移植する歯の組織をできるだけ保存できることは、移植の成功率を格段に上げることができます。
今後、3Dプリンターがさらに普及することにより、全体的な成功率も上昇が期待できますね。
当院では開業当時からこの3Dプリンターを活用し診療を行なっております。
移植等検討されていて悩んでいたら、ぜひご相談にいらっしゃってください。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋