こんにちは。
緊急事態宣言が発令されてまた緊張感が出てきましたね。
行田、熊谷でもコロナの感染者が増加しているようです。
皆さん、感染対策をし、体調管理を気をつけましょうね。
さて、今日は、歯が無くなってしまった時にどうしたらいいかのご質問にお答えしようと思います。
虫歯で歯が無くなった、歯周病で揺れて抜けた、歯が折れてしまったなどの理由で歯を失ってしまった時、対応として5つあります。
まず1つは被せ物で治すことです。
被せ物とは、歯を人工物(金属やセラミックス)で覆います。
歯が無くなってしまった所は空間ができますので、両隣の歯を削って被せ物をつなげることによって治します。
『ブリッジ』と呼ばれます。
ブリッジはその名の通り、架け橋なので、両隣の歯を支えにして歯がない部分にダミーの歯を置き、連続して繋がった被せ物のことを言います。
よって、ブリッジは周りに歯がないとできない治療法です。
ブリッジのメリットは入れ歯のような着脱がなく、見た目には歯があるように見え、噛むのも自分の歯の感覚です。
デメリットとしては、両隣の歯を削ること、そして噛むことで負担をかけることです。
2つ目の方法として、入れ歯があります。
他に歯が残っている場合は部分入れ歯、1本も歯がなければ総入れ歯になります。
入れ歯のメリットは、周りの歯を削らずに入れることができること、比較的短期間で治療が終了することが挙げられます。
デメリットとしては、毎食後外して洗う必要があり、口に入れていると異物感があること、部分入れ歯は金属のバネが見えてしまうこと、そして噛む力が弱く、自分の歯より噛むことができないことです。
3つ目の方法としてインプラントがあります。
インプラントとは、人工歯根のことで、歯がないところの骨に人工の根を埋めます。
そしてそこに被せ物をする治療法となります。
インプラントのメリットとして、周りの歯を削らないこと、負担をかけないこと、自分の歯のようにしっかり噛めること、着脱がなく、見た目が美しいことが挙げられます。
デメリットとして、骨に依存するため骨の状態により治療が困難な場合もあること、骨の治りを待つので治療期間が長くなること、保険適用でないため高額になることです。
ここまではほとんどの方に適応になる治療法ですが、条件が揃うと以下の2つの方法もあります。
4つ目として、ダイレクトブリッジがあります。
先ほど最初にご紹介したブリッジと似ていますが、治療法が違います。
ダイレクトというのは直接という意味で、隣の歯にダミーの歯を直接的に接着して形を作ります。
この治療の最大のメリットは、周りの歯をほとんど削らないことです。
そしてその日に歯と歯の隙間がなくなり、見た目が回復します。
また材料が合成樹脂なので、デメリットで挙げる金属やセラミックスより欠けやすいという欠点がありますが、ダイレクトブリッジだとほとんどの場合、その場で修復できるので、すぐ元の状態に戻すことが可能です。
金属やセラミックスは、一度作ると、見た目の修正などは大きく変えることができません。
また壊れてしまうと、作り直し、治療し直しになりますが、ダイレクトブリッジは汚れたり、欠けたりしても外さず修復できます。
デメリットとして、先ほど挙げた強度的に他のものより欠けたり外れたりしやすいこと。
そのため、欠けたり外れやすい場所(奥歯)には適応できなかったり、噛み込みが強い方には行うことができないことがあります。
5つ目の方法として、歯の移植があります。
歯の移植とは、自分の使わない歯(親知らず)を抜歯し、歯が無くなってしまった所に埋め込むことです。
自分の組織なので、拒絶反応はありません。
メリットとして、自分の歯でまた噛めるようになること。
コストも抑えることができることが挙げられます。
デメリットとして、適応できる歯があることが治療の前提になること。
また、生着が上手くいく確率は60%ほどだということ。
歯の大きさと埋めるスペースがある程度近くないといけませんので、前歯には適応にならないことがほとんどであることです。
自分の歯を失ってしまうととてもショックですよね。
しかしその後もしっかり食事をするために、きちんと治療する必要があります。
ご自身に合った治療法を見つけ、再び噛めるようにしていきましょう。
歯が抜けてしまった状態を長期間放置すると色々な不都合が出てきます。
次回はそのお話もしていきたいと思います。
ぜひ、また噛む楽しみを味わうためにきちんと治療をしましょう。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋