こんにちは!
最近、毎日のように雷が鳴りますね!
深谷の方は昨日、停電もあったと聞いています。
今日明日には台風10号が九州に上陸するようで、全国的にも不安定なお天気になるのだとか。
今後の災害に向けて備えをしておかないといけないなと再認識しました。
さて、今日のお話は虫歯です。
当クリニックには小児歯科で来院される方が多くいらっしゃいます。
来院時期は様々で、生まれてすぐいらっしゃる熱心な親御さんもいらっしゃいます。
多くの方は、1歳半検診や3歳検診などで歯科医院に行ったり、保育園や幼稚園の検診で必要と言われて行ったりすることが最初の歯科来院になるのではないでしょうか。
幼いお子さんの親御さんで『まだ離乳食だし、子供用のおやつしか与えてないから虫歯は大丈夫かな』とか、『まだ生えたばかりだから虫歯にはならないかな』と思っていらっしゃって歯科への受診をされていない方もいらっしゃるかと思います。
本日は、幼いお子さん、まだ子供の歯が生えそろっていない時期でも歯科医院にかかる必要性があることをお話しできればと思います。
私たちが、まず大事にしていることは、その子の生活スタイルです。
どんなご飯を食べているか、おやつは何時にどんなものを食べているか、
どのような飲み物を飲んでいるか
うがいができるか
仕上げ磨きはやっているか、やり方や使っている器具は何か
卒乳をしているか
親兄弟は虫歯になっているか
そのようなことをまず伺います。
これは、これまでや今後の虫歯の発生に大きな関係があるからです。
まず虫歯がどうしてなるかお話しします。
虫歯の原因菌はミュータンスレンサ球菌です。
これは、糖を基質として有機酸を産生し、それが歯を溶かす、いわゆる虫歯を作ります。
しかも、この菌はショ糖を利用して粘着性のある不溶性グルカンを作り、細菌がデンタルプラークとして歯面に付着する足がかりを作るというなんとも厄介な菌です。
デンタルプラークには様々な細菌が集まりコロニーを形成し、ちょっとやそっとでは歯面から取れません。
物理的効果しか取り去ることができないのです。
このデンタルプラークを取り去る作業が歯ブラシです。
なので歯ブラシが最も虫歯を予防できる方法なのです。
ではいつこのミュータンスレンサ球菌は口に入るのでしょうか?
ミュータンスレンサ球菌は、保護者などの口腔内から唾液を介して伝搬すると言われています。
しかし、歯が生えていない場合は付着することができないため、そのまま食道に流れていきます。
定着が始まるのは、乳歯(子供の歯)が生え、離乳食が始まり、ショ糖の摂取などが始まる頃です。
そして、4〜6歳には小児の口腔細菌叢はほぼ確立します。
研究によると、5歳までにミュータンスレンサ球菌の保菌がみられた小児の感染時期は、生後19ヶ月〜31ヶ月に集中しており、この時期を『感染の窓』と名付けられています。
なので1歳〜3歳くらいでこの菌に感染しているかが重要となります。
これは歯がなくなるまで大きく変わることはないのです。
よってこの時期にどのように過ごしてきたかで、一生分の虫歯のなりやすさが決まってくると言っても過言ではありません。
この話をすると、『うちの子はもう3歳を過ぎてしまった』や、『うちの子は3歳で虫歯になってしまった』と落ち込んでしまう方も出るかもしれません。
しかし、菌は定着しても必ず虫歯になるわけではないのです。
そうでない人と比べて虫歯になるリスクが高いということです。
なので、今ある虫歯をきちんと治し、今後虫歯にならないようにかかりつけ医を見つけ、きちんと予防することが大切なのです。
そして、その子だけでなく、食事、生活を共にしている方が虫歯になっていないかもとても重要です。
お腹に赤ちゃんがいる妊婦さんの時から、これから生まれてくる赤ちゃんのためにできることがあるとわかっていただけたかと思います。
ぜひ一緒に、虫歯がなく健康に、一生美味しいものをしっかり食べられる口腔環境作りをしましょう。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋