こんにちは!
熊谷も暑くなってきましたね!
熊谷駅の恒例、ミストの下をついつい歩いちゃいます。
さて、今日は『自分の歯を残す』についてお話したいと思います。
歯科の世界では『MI(Minimal Intervention)』という言葉があります。
直訳すると『最小限の介入』、最小限の侵襲のことです。
残念ながら、虫歯になってしまった歯。
しかし、その歯には、虫歯菌に侵されて感染してしまった部分と、健康な歯の部分があります。
その健康な部分を最大限残し、虫歯のどうしても残せないところだけを削る。
それは歯質や歯髄(歯の神経)への犠牲を最小限にし、できるだけ保存し、歯の寿命を伸ばそうということです。
それがMIの考え方です。
虫歯の治療法にはいくつか選択肢があります。
いくつかある中で最もMIな治療を行うことができるのが、コンポジットレジン修復です。
よく言うところの『プラスチックの詰め物』です。
この白い詰め物は、歯と接着します。
歯医者で銀歯を入れたとき、歯と金属をくっつけますよね?
これは合着と言って接着とは少し違います。
少し難しいのですが、歯と金属をくっつける合着は、お互いの凸凹にセメントが入って脱離しなくなるという機械的な原理です。
一方、コンポジットレジン修復は歯と材料が化学的な結合(分子的結合力)でくっついているので化学的な原理です。
金属を入れるときは合着面をしっかり作らないといけませんし、間接的に(口の外で)金属を作ってこないといけないので、出し入れをします。
なので出し入れができる形にどうしても削る必要があるのです。
その時に健康な部分を削ってしまいます。
コンポジットレジン修復は、直接口の中で詰めて固めてくっつけることができるので、余分な切削を必要としません。
なので、コンポジットレジン修復がMIを達成できるのです。
ただ、虫歯と一口に言っても、患者さんそれぞれ、歯それぞれで違います。
ですので、何の材料で治すかは、虫歯の大きさ、歯の崩壊度、虫歯のなった位置、患者さんのお口や生活の環境(虫歯のなり易さ、セルフケアなど)、色々なことを加味して歯科医師が診断します。
ですので、必ずしもコンポジットレジンだけが良いわけではないのですが、少しでもその歯のために出来ることがあるなら、やる価値はあると考えています。
また、歯を残すと一言に言っても、ただ残していたら良いわけではありません。
自分のためと思って残したその歯が、体にとって良くないものになってしまったら本末転倒です。
歯の神経が虫歯菌に侵されてしまって健康ではなくなってしまっているのに残しても結局はその患者さんが辛い思いをすることになるからです。
ボロボロになってしまった歯をそのままにして痛みが出たり、歯並びが悪くなったり、他の歯まで悪くしてしまったら意味がありません。
きちんとその歯の虫歯のステージごとに最善の治療を行うことが必要ですが、せっかく残せる歯を削ったり、抜いてしまうのはとても残念ですので、もうダメかなと諦めてしまっている方でも、ぜひ歯医者に一度確認に行ってみるといいでしょう。
放っておくと虫歯は進行してしまうので、少しでも早く診てもらうことで、歯の治療の選択肢が広がります。
その中で、自分に合ったものを選択していただきたいと思います。
我がクリニックの代表 荒岡 大輔は、そのコンポジットレジンとその接着について大学で研究を行い博士号を取得しました。
ですので、コンポジットレジン修復は得意としている治療の一つです。
ぜひ一度ご相談にいらしてください。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋