明けましておめでとうございます。
みなさん、年末年始はどのように過ごされましたか?
今年はコロナも減ってきたのでお出かけされた方もいらっしゃるでしょうか。
私は熊谷で初めて初詣に行きました。
おみくじは小吉。努力次第で運気は上昇とのこと。
今年1年、精進あるのみ!と仕事に励みます!
さて、今日は虫歯じゃないのに歯が痛い…その原因の1つである『歯根膜炎』についてお話しします。
なんとなく最近噛むと痛いな。
いつもじゃないけど歯がしみる感じがするな。
激痛でもないし、でも噛むと痛いし心配だから歯医者に行こう。
しかし、せっかく時間をとって歯医者に行ってみたけど先生から『虫歯はないですね。健康な歯ですよ。歯周病もなくしっかりした骨です!』とお墨付きをもらってしまった。
じゃあなぜ痛いの?
当院にはそんな方がたくさんいらっしゃいます。
歯の痛みの原因はたくさん考えられる物があるのですが、そういう方で多いのは『歯根膜炎』です。
歯根膜とは、歯の周りをぐるっと覆っている組織のことです。
歯は骨(歯槽骨)と直接くっついているのではなく、歯根膜を介しています。
歯根膜は感覚の受容器でもあり、噛んだ感覚を脳に伝えてくれる役割や、咬合力として受けた力をクッション材として受け止めてくれる役割をします。
この歯根膜が炎症を起こしてしまった状態を歯根膜炎と言います。
歯根膜炎の主な原因は過度の咬合力による負担です。
要は噛みすぎです。
例えば、今日の晩ご飯で硬めのお肉を食べたとします。
それだけでは歯根膜炎にはなりません。
重い荷物を1つ持ち上げてそのときグッと歯に力を入れたとします。
それだけでも歯根膜炎にはなりません。
歯根膜炎は過度な力を高頻度、長時間受けた場合になります。
噛んで痛いというのはこの歯根膜が『もうキャパシティオーバーです!これ以上負担をかけないで!』とSOSを発信しているのです。
歯根膜炎の原因に、歯ぎしり、食いしばりがあります。
歯ぎしり、食いしばりは多くの場合、夜間に自分も気づかずやっていることが多いです。
朝、起きた時に顎に違和感や疲労感がある。
朝食時に噛んで違和感がある。
歯の先が削れて平坦になっている。
内側のほっぺたや舌に歯型がついている。
上顎の真ん中、もしくは下顎の歯のずっと下内側に骨の凸凹がある。
これらに該当するものがある場合は、歯ぎしりや食いしばりを疑います。
上記は夜寝ている時に多いのですが、日中の悪習癖についてもお話しします。
皆さん、今ご自身の上下の歯と歯はどうなっていますか?
くっついていますか?隙間がありますか?
舌は口の中でどこにありますか?
下の歯にくっついていますか?歯と歯の間にありますか?上顎にくっついていますか?
唇は閉じていますか?空いていますか?
唇は軽く閉じた状態で、舌は上顎に優しくつき、歯は2ミリほど空いている。
これが人の正しい安静時の状態です。
歯ぎしりや食いしばりほどでなくても、食事で噛み砕いていない時間、特に何かの作業中や、安静にしているときに自分の歯と歯が接触している方がいらっしゃいます。
歯と歯がくっついてしまっている状態を『Tooth Contacting Habit』略して『TCH』と言って、日本語で『歯牙接触癖』と言います。
本来、食事をしていない時、人は歯と歯は全くくっつきません。
少し空いているのです。
その距離約2ミリ。
それが現代人には悪い癖がついて上下の歯がくっついてしまう習慣化してしまっている方が多いのです。
特徴として食いしばりのようにグッと力を入れず、無意識に歯と歯が軽く触れているのです。
なので自分でも気付かず長時間触れた状態になります。
これにより歯根膜炎が引き起こされることがあります。
TCHは無意識を意識化し行動することで治していきます。
夜間の歯ぎしりや食いしばりに対してはマウスピース(ナイトガード)を使用することで歯への負担を分散したり、歯が削れるのを防ぎます。
時々起こる歯の痛みで悩まされる、歯が削れているのが気になる、削れているか自分ではわからないという方、ぜひ歯科で専門家のチェックを受けましょう。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋