こんにちは!
11月ももう終わりですね。
寒くなって乾燥もし、コロナも増えて心配な状況です。
皆さん、お体お気をつけください。
本日は、口腔外科の田中先生の診療日でした。
口腔外科では、親知らずの抜歯、粘膜疾患、外傷、顎関節症などの診療を行っています。
その中で、最近多く質問をいただくのが口腔がんについて。
今日は口腔がんについてお話ししたいと思います。
以前お話ししましたが、11月はレッド&ホワイトリボン、口腔がん撲滅キャンペーン月間です。
乳がんのピンクリボンが有名ですが、歯科の領域のがんである、口腔がんが今月はテーマです。
口腔がんとは、舌がん、歯肉(歯ぐき)がん、口腔底(舌の下)がん、頬粘膜がん、口蓋がん、口唇がんの総称です。
日本人に一番多いのは舌がん。
堀ちえみさんの舌がんによる舌亜全摘は衝撃的で記憶に新しいですよね。
口腔がんは60代以上の男性に多い傾向があると言われてきましたが、現在は堀ちえみさんのように60代以下の女性にも増えてきています。
口腔がんの原因は生活習慣やお口の中の小さな問題が多いのです。
まず生活習慣としては、お酒、タバコです。
また偏食などによる栄養不足も粘膜を弱くし、傷を作りやすくすると言われています。
お口の小さな問題とは、虫歯、歯周病、合わない入れ歯や被せ物、詰め物などの放置、傾いて生えている歯、お口の癖、歯ブラシが出来ていない不衛生な環境です。
お口の癖を具体的にいうと、唇を噛んでしまうや、舌を歯に押し当ててしまうなどです。
では、どうしてこれががんに関係するのでしょうか。
それは、慢性的な粘膜への刺激です。
口腔がんの多くが扁平上皮癌という粘膜のがんです。
これは物理的もしくは化学的な刺激により起こることが言われています。
しかし一度、ほっぺたや舌を噛んで口内炎になったからといって、それが全てがんになるわけではありません。
比較的長期にわたって、小さな傷などを繰り返しながらがん化していくと言われています。
なので、上に述べたような状態を放置せず、歯医者できちんと治療しましょう。
また、口腔がんでいらっしゃる多くの患者さんがステージⅣであるという報告もあります。
ステージは幅や深さによって4段階で分けられています。
ステージⅣは口腔がんが進んだ状態ということです。
口腔がんの3人に1人の患者さんがステージⅣまで進行した状態で来院していると言われています。
それはなぜなのでしょうか?
実は口腔がんの多くは、小さく、浅い間は無症状なのです。
なので初期ステージを症状で気付くことは難しいでしょう。
そこで必要となってくるのが、セルフチェックと歯科・口腔外科での定期検診です。
次回はセルフチェックと定期検診についてお話ししたいと思います。
お楽しみに。
荒岡デンタルクリニック 熊谷
荒岡 千尋