荒岡デンタルクリニック熊谷 熊谷市の歯医者 お役立ち情報

休診日:祝日(診療時間など変更になる場合がございます)

Blogお役立ち情報

酸蝕症(さんしょくしょう)とは?酸蝕症の原因と予防法

こんにちは。

 

熊谷でもコロナの感染者が増えてきましたね。

 

より一層感染対策をすることが大事ですね。

 

そして熊谷は今日も暑い…熱中症も気をつけないと。

 

来年の夏はうちわ祭りが開かれ、夜に飲食店が開いていて、マスクなしの生活が送れていたら良いのですが…

 

 

さて今日は『酸蝕症』についてお話しします。

 

酸蝕症と言われても初めて知る方が多いかと思います。

 

『tooth wear』の原因でもある酸蝕症。

 

まず、tooth wearとは、歯が溶けたり欠けたりすることです。

 

その原因は主に3つあり、咬耗、摩耗、酸蝕です。

 

酸蝕とは、酸によって歯が溶けてしまうこと。

 

近年、虫歯、歯周病に続く第三の歯の疾患と言われ注目されています。

 

歯は皆さんもご存知の通り、とても硬い組織です。

 

骨よりも硬く、人間の体の中でも最も硬い部分と言われています。

 

しかし、そんな硬い歯でも酸にはとても歯のです。

 

虫歯も歯が溶ける病気ですが、これは細菌によって産生された酸により歯が溶けます。

 

しかし、酸蝕症は細菌感染がなく、口の中に酸性のものが滞留し歯が化学反応によって溶けてしまいます。

 

でも、私たちは酸っぱいものを食べたり飲んだりしていますよね。

 

でも特段溶けて歯が無くなったり、滲みて痛くなったりしません。

 

それは、再石灰化といって私たちの唾液に含まれるミネラル成分で溶けた歯を元に戻しているのです。

 

しかし、その再石灰化が間に合わない、または唾液の作用では追いつかないほどのスピードで溶けてしまうとどんどん歯が溶けてなくなってしまうのです。

 

酸蝕症の原因を以下に記します。

 

1、内因性

・胃食道逆流症

・摂食障害(持続性嘔吐)

・アルコール依存症

 

2、外因性

・職業性因子(酸性ガスの吸引、ワインテイスターなど)

・酸性飲食物の過剰摂取やビタミン剤などの摂取

 

 

酸で歯が溶けてしまう酸蝕症。最も身近な酸性の飲食物についてお話しします。

 

この疾患に大事なワードとして『エナメル質臨界pH値』があります。

 

これはエナメル質ミネラルに対してちょうど飽和状態にある液体のpH値のことを言います。

 

要は、このエナメル質臨界pH値より低い飲食物は不飽和、つまり歯が溶けてしまうということになります。

 

エナメル質臨界pH値は5.5です。

 

写真をご覧ください。ほとんどの飲み物がpH5.5以下なのです。

 

この資料は酸蝕症の専門書のものですが、この本によると調べた140種の市販されている飲料水の75%がpH5.5以下でした。

 

私の印象では美味しい味がついているものはほぼ全てという感じがします。

 

ですが、この飲み物、食べ物を口にしたからといってすぐに歯が溶けるのではありません。

 

先ほどもお話ししたように、再石灰化がきちんと追いつけばいいのです。

 

そこで大事なことは

 

1、酸性の物を食べたり飲んだりした後は水で口をゆすぐ

 

2、酸性の飲み物、食べ物を口にしてをすぐに歯をゴシゴシ強く磨かない(30分置くのが理想であり、正しいブラッシング方法で磨くこと)

 

3、ダラダラ食べをしない(時間を決めること、酸性の物を飲食した後にしっかり食べない飲まない時間を作る、理想は2時間以上)

 

4、再石灰化を促すアイテムをプラスする(歯磨き粉、フッ化物入りガムなど)

 

5、定期的に歯医者で確認し、必要な場合はフッ素の導入を行う

 
6、口を開けっぱなしにしない(口を閉じ鼻呼吸にする、夜のいびきなどで開いている場合も対策を)

 

 

これは虫歯の予防と同じです。

 

なぜなら虫歯は細菌により起こるものですが、メカニズムは酸蝕症と同じ酸によって歯が溶かされるものだからです。

 

なので、酸性の飲食物にムシ歯菌が合わさると、歯のとけるスピードは加速します。

 

上記のことに気をつけ、美味しい飲み物、食べ物と上手に付き合っていきましょう。

 

 

荒岡デンタルクリニック 熊谷

荒岡 千尋